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論考うわらば

うわらば。


 ひでぶっ と並び称される断末魔である。

 しかし、向こうがひでぇの誤植だったと内容が明らかになっているのに対してこちらは意味不明な文言とされている。
 天才であるアミバ様が末期に及んで無意味な発言をするわけがない。

 物事は点で考えて意味がなくとも線で考え面で考えれば意味があり、まして天才であるアミバ様の辞世であるこの言葉、北斗の拳の世界において無意味であるはずがない。

 ここでは「うわらば」の意味を明らかにしていこうと思う。

 まず考えなくてはいけないのが、アミバ様の発言が本当に「うわらば」だったのかと言うことだ。
 右の画像を見てほしい。
 御帰天(うわらば)直前であるが、なんと「うわ」ではなく「うあ〜〜〜!!」と言っているのである。
 だからどうしたと言うのは凡人の浅はかさ、「う」→「あ」と素早く喋ってみてほしい。「うわ」とならないだろうか?

 このことから、「うわらば」は「うあらば」であったことが考えられる。

 「うわらば」と言う表記そのものの正当性が怪しいため、これより一文字一文字うわらばは本当にうわらばだったのかを検証することとする。

 まず先頭の「う」であるが、うわらば中この文字のみ、母音がUの字であると言う特異性を持っている。
また、Uの発音は口をすぼめる必要があり、直前の「うわああ〜」からわざわざ一度口をすぼめてまで発したことから考えても、「う」は「う」であったと考えてもよかろう。

 続いての「わ」については先ほどの検証により「あ」であったことが明らかであるためここでは割愛させていただく。

 次の「ら」であるが、ラ行の子音を発する際の特性として舌使いがある。
 日本人は巻き舌が苦手、などと言うが、日本語のラ行も舌を動かしていることに変わりはなく、母音のみの「う」や「あ」に比べて一手間かけていることは明らかである。
 同様に舌の動きを必要とする子音にはナ行、ダ行があるが、若干の舌の撥ねを必要とするラ行に比べると発音は容易であり、「ら」については、少なくとも子音は「ら」であると考えてよかろう。

 最後の「ば」であるが、「あ」→「ら」→「ば」と母音「A」が3つ続くことにより一つ疑念が沸き起こる。
 それは、つまりアミバ様が「う」→「あ」を発言した時点でもはやほほの筋肉を動かす力が残されておらず、ただ口を開けたまま舌だけを辛うじて動かしていたのではなかろうか?と言うことだ。

 だが、ここで冷静に「ば」と発音してほしい。
 そう、バ行の音を発するためには一度口を閉じなければならないのだ。
 アミバ様は最後の最後、破裂寸前の最中口を閉じ、また開けると言う難行を達成し「ば」と発されたのだ。
 例えばこれが「うわらあ」のような断末魔であったら「わ」「ら」「あ」については「ただ口を開いていただけ」と言う可能性もあり、母音もその正当性が疑わしいと言うことになっていたであろうが、最後の「ば」により母音の問題も解決されたと言ってよかろう。

 

「うわらば」→「うあらば」

 上記考証により「うわらば」は「うあらば」であったことに疑いの余地はないが、音に疑いはなくとも意味に疑問は残る。
当然のごとく、「うあらば」等という言葉が日本語にないからだ。
 「そうあらば」等という用法が無くはないが、前後に脈略が無く、御帰天の言葉としては考えにくい。

 そこで考えられるのが、「暗号化」である。

 何せ目の前にいるのはケンシロウとレイ。
 最後の最後、重大なことを伝えようとも敵に伝えてしまっては意味が無い。
 したがって、ケンシロウやレイにはわからず、しかし拳王軍の間者には伝わるように「暗号化」していたことが容易に読み取れるのである。

 

暗号化前と暗号化後

 「うあらば」全てが暗号化されていたのであるとなると解読は限りなく難しいが、ここでヒントになるのが冒頭の画像2つである。

 「うあ(うわ)」までで躊躇し、最後の最後でようよう「らば」と発しているのだ。
 つまり、「うあ××」と真実を伝えようとしたところで思い直し、「らば」と続けたと考えられ、暗号化されているのは「らば」に限ったものであるということが読み取れるのだ。  

アナグラム

 暗号の古典的手法として、「アナグラム(文字配列変換)」と言うものがある。
 マガジンミステリーリサーチ(MMR)のおかげで有名(嘲笑)の対象となってしまった手法だが、MARSとの関連性に気がついたものが誰もいなかったことからも、今なお有用な手法であると言える。

 そこで、ためしに「らば」を「ばら」とすると、「うあらば」は「うあばら」となり、「あばら」と言う意味のある単語がはじめて浮かび上がってきたのである。

 残る文字は「う」。真相はもう間もなくである。  

「うわらば」の真相

 「う」と言っても有兎得・・・とあばらにかかってもおかしくない言葉は山ほどあり、一つ一つ検証を重ねていくことは難儀である。  そこで、アミバ様がなぜ末期に「あばら」について語ったか?と言うことから包むようにして考えてみる。

 そもそも何故「うあばら」と発したかと言うと、直前には右図のように「何故俺がこんな目に〜」「天才のこの俺が何故〜」と自問自答を行っており、「うあばら」はその回答であったと考えられる。

 では何故天才のアミバ様があんな目にあわねばならなかったか?

 ケンシロウ「自分で秘孔を突いてとめてみろ」
 レイ「指がなくては尽きようがないか・・・」

 とあり、指がなくなった原因は

 その直前に突いた筋力増強の秘孔が誤っていたことである。

 そして、画像を注視するとなんということであろうか、その秘孔の位置は「あばら」であった。

 ここまでくれば、あるいはここまで来ずとも、賢明な諸兄においては事の真相を掴んでいるかもしれない。

 「何故俺がこんな目に〜」 → 「うあばら」

 そう、アミバ様があんな目にあってしまったのはアバラの秘孔の位置を、「う」、つまりは、「右」あばらの秘孔の位置を間違えて突いてしまったためであったのだ。

 

失敗、それは成功の・・・

 失敗は成功の母である。このアミバ様の失敗が何をもたらしたか?

 


 

「我が生涯に一片の悔い無し!」

そこで突かれた秘孔は・・・!
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